不思議の国へようこそ! ~ウサギ賢者の物語工房~ 

言葉の魔法で紡ぐ、剣と魔法の世界。近世前のヨーロッパをモチーフにしたファンタジー小説の世界観や創作の裏側などについて綴ります。

舞台はビザンチン帝国(ローマ帝国の後継)~棄てられ皇子の煩悶~

国際情勢

 今回は、「棄てられ皇子の煩悶 」( 小説家になろう)の作品の舞台を中心にご紹介いたします。

  こちらの作品は、参考とした国が5世紀頃のビザンチン帝国(東ローマ)となっております。ビザンチン帝国や東ローマというのは、歴史家がそのように呼称しているだけで、当の本人たちは「ローマ帝国」と自称しています。そこには、ローマ帝国の正当な後継だというプライドがあるわけです。これは、後々まで続くことになります。

 ローマ帝国は、兄妹相続により東と西に分裂いたしました。 歴史上、同様の例は数多く見られます。兄弟のうちの一人に相続させることで国内対立を抱えるか、平等に分割相続を行い対立を避けるかという問題において、絶対的に正しい答えは存在しません。しかし、分割相続を行うことは国土を狭め、各国の勢力を弱体化させることは確実であると考えられます。

 賢兎かくとは、兄妹相続は、よほどの事情がない限り避けるべきと思います。

  5世紀頃のビザンチン帝国の地図を拝見しますと、まるでローマ帝国を2分割した東側という形が見て取れます。一方の西ローマは、異民族の侵入を受けて滅び、西ヨーロッパは群雄割拠の状態に陥っています。

 一方で、ビザンチン帝国の東側には、ペルシャ帝国という大国と対立しています。

 こうした国際情勢を参考に設定しております。

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 帝国の北部、北ヨーロッパはあまり開発されていません。その意味では、広大な森が広がる地域ですので、物語の中ではエルフ族などが住む地域という設定にいたしました。

 ドワーフは土を掘って住むことが多いことから、山を掘って国を作っているイメージでございます。

 他の種族に関しても検討しておりますが、北部地帯あるいは南部の北アフリカあたりを居住区域とする設定を考えております。

文明や交易

 この頃までの世界情勢を俯瞰してみると、文明の中心はメソポタミア地域と東の中華帝国の二大センターであったと言えるでしょう。

 最盛期のローマ帝国は、それら二つの文明圏に楔を打ち込むように、地中海一帯を含む広大な地域を支配した大帝国でした。ヨーロッパの人々にとって、ローマ帝国は「古き良き時代」として、いつまでも記憶の中に生き続けていくのです。

 ビザンチン帝国の時代には、ローマ帝国の勢力は大きく縮小し、最先端の文明は東からやってくるのが実情でした。

 交易においても、メソポタミアや中華からの主要な交易品はやはり東からやってきました。

 その交易路として大きな役割を果たしていたのが黒海です。荷運びという点では、船の輸送能力は非常に大きく、陸路に比べて効率が全く異なるのです。

 黒海から先は、陸路となり、インド洋へ出て再び船で運ぶか、そのまま陸路を中央アジア方面へ向かいシルクロードを使うかの二つの選択肢がありました。

 ビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルは、黒海の出口となる海峡に位置しており、この地を押さえることは、政治的・経済的に大きな意味を持っていたわけです。

 コンスタンティノープルは、東西の文明のはざまにある都市であり、人種、文化などが入り乱れた多様性に富んだ都市でした。

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 ハギア・ソフィア大聖堂は、東西混淆のお手本のようなもので、キリスト教の聖堂でありながら、コンスタンティノープル陥落後にイスラムのモスクに改修され、ミナレットというお祈りの時間を知らせる塔が建てられております。

  それが破壊されずに、共生して残っている点は素晴らしいですね。 物語の中でも、これにインスパイアされた場面がございます。

 では、今回は、ここまでとさせていただきます。

 

 

 

 

 

物語の舞台ユーレミヒ地方(ヨーロッパ)~虐げられた薄幸のアルビノ美少女は真珠皇女殿下~

kakuyomu.jp

 今回は、虐げられた薄幸のアルビノ美少女は真珠皇女殿下~純愛が傲慢な大公子の心を溶かし、恋人たちは陰謀渦巻く帝国を破滅から救う~(聡明な兎) - カクヨム,の舞台を中心にご紹介いたします。

アナグラム

 物語の舞台は、異世界のユーレミヒ地方でございます。このユーレミヒは、ヨーロッパのアルファベットを並べ替えて作ったものであり、この手法をアナグラムといいます。

 有名なアナグラムには、ハリーポッターの中で「トム・マールヴォロ・リドル(Tom Marvolo Riddle)」が「わたしはヴォルデモート卿(I am Lord Voldemort)」のアナグラムになっている話がございます。

www.businessinsider.jp

 日本人にはあまり馴染みのない手法でございますが、アルファベットを用いるヨーロッパ圏の国々では、ポピュラーな暗号化手法でございます。

 ハリーポッターの原語は英語でございますが、他国の翻訳版でもアナグラムになるように苦労されているようです。

日本語翻訳版では少し難しいかもしれません。カッコでアルファベットを表記すると、いかにも怪しい感じになってしまいますし......。

 物語では、ほかに国名などもアナグラムで作成されており、過激な宗教改革派の一派が信仰していた神が実は......というネタも使用しております。

(国際情勢)

 舞台の中心となる神聖ルースガア帝国は神聖ローマ帝国からとってきていて、皇帝カールもカールⅤ世(1,500-1,558)をモデルとしています。

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 オイレンブルク家はハプスブルク家を模倣しており、同家が婚姻政策を通じてヨーロッパの大半の国を支配下に置いたことは広く知られています。

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 主人公セシーリア・デ・アルマスの出身国であるパルウプガル王国(ポルトガル)の国王もカールが兼任しており、同国への視察中にセシーリアが生まれたという設定です。

 これも史実を踏襲しており、カール五世は気前の良い性格であったため、貴族身分の母から庶子が生まれた場合は認知し、商人や工人身分の母から生まれた場合は修道院などに預けたといいます。

 にもかかわらず、貴族の母から生まれたセシーリアが認知されなかったことが、物語の最初の謎となります。

 カール五世が認知した者の中には、レパント海戦の英雄ドン・フアン・デ・アウストリアもいるそうです。もし続編を書くならば、登場させたい人物ですね。

 外国との関係では、ネフクラ王国(フランス)との戦争が継続しており、北部を中心とした宗教改革派(プロテスタント)への対応にも苦慮しています。
 さらに、東からはオルスマン帝国(オスマントルコ)がユーレミヒ(ヨーロッパ)を圧迫しており、現在の東ヨーロッパの大部分を征服しています。オイレンブルク家(ハプスブルク家)が手に入れたウルール王国(ハンガリー)は、対オスマン帝国の最前線となっているのです。これが、準主人公ハンスのモルレビア(モラビア辺境伯就任の布石となっています。

 

 

 

 

冒険の物語を紡ぐファンタジー作家、聡明な兎

 日本の皆様、初めまして。

 不思議の国からやって参りました、ウサギ賢者こと「聡明な兎」と申します🐰

 知り合いの皆様からは「 堅兎 (けんと) 」と呼ばれております。どうぞ、お気軽に「堅兎」とお呼びくださいませ。

 

 堅兎は、これまで様々な不思議の国を巡って参りました。

 日本での堅兎の使命は、感動と冒険の物語を紡ぐファンタジー作家でございます。あなた様を心揺さぶる異世界への旅へと誘わせていただきます。

 

 さて、このブログのミッションは、堅兎が紡いできた物語をより深く理解し、愛でていただくことにあります。

 つきましては、今後、次のような事柄を記事として綴らせていただく所存でございます。

 (作品世界に特化したカテゴリー)

  • 世界観紹介: 世界の成り立ち、歴史、地理、文化などを深掘りした記事
  • キャラクター紹介: 主人公や脇役、敵役など、キャラクターの魅力を解説
  • 魔法と技術: 魔法体系、技術の発展、アイテムなど、作品世界の仕組みを解説
  • 設定資料: 世界地図、種族相関図、魔法体系など、設定資料を公開

(創作活動に関するカテゴリー)

  • 創作日誌: 執筆中の出来事や苦労話、アイデアの源などの記録
  • 読書感想: 読んだ本や漫画、映画など、作品に影響を与えたものを紹介
  • 創作論: 小説の書き方や世界観の作り方など、創作に関する知識を共有
  • イベントレポート: 作家向けのイベントに参加した際のレポート

(読者様との交流に関するカテゴリー)

  • 読者様からの質問: 読者からの質問に回答
  • 作品の世界観クイズ: 作品の世界観に関するクイズを出題
  • 感想募集: 読者の方に作品を読んでもらった感想を募集

(その他)

  • 雑記帳: 創作以外の日常のことや、気になったことを自由に書く
  • お知らせ: 新刊情報やイベント情報などを告知

 これらの記事は今後掲載させていただきますが、今回はこれまで執筆してきた作品を紹介させていただきます。


 賢兎は、カクヨム様におきまして、次の長編2作品を執筆いたしました。

 また、棄てられ皇子の煩悶につきましては、小説家になろう様にて、改稿版を連載中です。

 この機会にぜひ作品をフォローいただき、お読みいただけましたら幸いです。作品に対するレビューやコメントを賜りますと、賢兎はピョンと飛び上がって喜びます💗

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